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日系企業で外国人が働く難しさ

おはようございます。


私の会社は1500人程度の中堅メーカーですが、複数人の外国人社員がいます。1,日本本社でのスタッフ系外国人、2,工場内での外国人ワーカー、3,海外現地子会社での社長含み全員が外国人4,社長やマネジメント層が日本人で総務などスタッフ系が外国人

大きくはこの4パターンに分かれると思います。

今回は1,日本本社でのスタッフ系外国人についてお話ししたいと思います。


彼女はフランス出身の方で40代前半。国際事業本部という部署で海外事業の戦略立案をしておりました。母国語であるフランス語に加えて英語、日本語に長けており、さらにはMBAも取得している才女でした。容姿端麗、語学堪能、頭脳明晰という三拍子揃った社員でした。スペックを聞くと確かに凄いですよね。この様な方はそれ程いらっしゃらないのでは無いでしょうか。

でも彼女は入社10年目にもかかわらず社内での等級は一番下、つまり名刺には何も肩書きが書かれないスタッフクラスでした。

会社には昇格試験制度というものがあり、上司から毎年推薦を受けたスタッフが筆記試験と面接試験を受ける事ができ、合格すると一段階昇格する事ができます。そうすると名刺に書かれる肩書きが変わっていきます。主任補、主任、参事補、参事といった具合です。

さて、何故彼女の様な高スペ超優秀な社員が昇格する事も出来ずに燻っているのでしょうか。


A,高スペ過ぎるグローバル人材を活かせる部署が無い。

これは会社の問題ですね、国際事業本部での海外戦略立案といった一見すると耳障りの良い仕事ですが中身は経営側から伝えられた戦略を実行していく実働部隊です。その多くは各部門との社内調整と社内営業です。自らが海外を飛び回ったり、他企業との合同セミナー、展示会への参画、顧客訪問により人脈を広げ得た様々な情報を基に戦略立案するボトムアップ型ではなく、経営側からのトップダウンとしての仕事を与えられたのです。本来ならばボトムアップ型が望ましいでしょうが、残念ながらその様な仕事はうちの会社ではありません、これはある意味日本社会の問題ではないでしょうか。難解すぎる日本語の読解力、永久に続くんじゃないかという稟議書の山、顔を立てるという必要性、また、根回しという独特の文化。

これらは外国人には理解出来ない文化です。


B,建設的な意見が言えない

これはパーソナルな問題ですね。会社への問題点が余りにも多過ぎるからか不平不満ばかりいつも口にしている。本来なら異見し討議する事は歓迎すべき事なのですが改善案が無い只の文句を言っているだけなので物事は先に進みません。あーまた言っている、というイメージになってしまいました。MBAホルダーであればディベートは最も得意とする分野だと思うのに何故だかそんな感じなのです。

10年の勤務の間に様々な部署を渡り歩いたがどの部署でも上司から評価される事がなかった。評価されていない事を自ら振り反省する事をせずに他責にしてしまう。


結果的には彼女は昨年12月に会社を去ってしまいました。新たな仕事は数十人規模の会社での海外進出サポートのようです。新天地での彼女の活躍を祈るばかりです。


日本の会社は自社社内のシステムや経営側が今までの旧態依然としたやり方を変える気がないのにグローバル化というものを外国人を雇用する事だと勘違いしている。うちの会社もはっきり言って、流行りに乗ってるに過ぎない。グローバルカンパニーと言えど9割以上が日本人で構成された組織であれば数人の外国人では只の異質な存在として扱われてしまうのです。日本人が支配している企業での解決策は外国人比率を3,4割程度まで上げる、社外取締役を外国人とする、最終的には外資メーカーに買収される、この様な抜本的な構造改革でもしないと難しいでしょうね。